松本清張著「ゼロの焦点」 感想

広末涼子さん主演映画のゼロの焦点を見て、原作に興味を持ち、手に取りました。映画も劇的で好きでし、本も面白かったです。ネタバレは極力少なくしたつもりですが、感想です。

ゼロの焦点

お見合いで結婚した夫が、仕事で金沢へ行ったきり、戻ってこない。妻は夫を探しに行き、謎を解いていく推理小説

当時特有の世相を反映した小説だと思います。

鵜原憲一

理解できる気がします。嫌だった過去をどうしても思い出させる女ではなく未来を感じる女と未来を生きたい気持ちは。もちろん、まず、清算してから見合い・結婚をすべきですし、捨てられる女にとっては許せいないと思うことだと思います。でもそれほど捨て去りたい過去だったことは理解できますし、死んだことにすることは一応優しさだと思います。久子の側から見れば、なんて不実な男だとしか思えませんが。新妻を見て過去の女と比べる発言をするとか最悪だし、デリカシーとかないんかいってツッコミをいれたいくらいですけど、まあそういう人だったから中途半端な行動を繰り返し積み重ねてこんなことになっちゃったんでしょうね。

室田佐知子

テレビの評論家の話として出てくる

当時の日本は敗戦直後で、全体が悪夢のような時代ですから、その人たちにとっては気の毒なことです。でも、自分の努力で、あとの生活がつくられていたら、その幸福を、そっと守ってあげたい気がします。

これにすべて現れている気がします。みんな悪夢から逃れたくて、逃れたと思っていても影は追ってきて、過去の悪夢が蘇ってくる。たとえ相手に暴露する気が無くても、そんなことは当人にとっては分かりえないことだし、ただただ不安が増すばかりです。そんな中チャンスを手に入れ実行したというところでしょうか。

過去を知られたくなかった女。ていうか誰だってこういう事は知られたくないと思います。社長夫人の座とか、名流夫人とかいうことだけではなかったと思います。もともと学のある女性のようですし、もともとそれなりのプライドがあったと思います。それでも生きていくためにそうなるしかなかった。だからと言って3人に対し彼女がとった行動を肯定することはできませんが、舟に乗って沖に出た気持ちは理解できる気はします。これ以上は無理だったのだと思います。いろんな意味で。

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